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平成27年度 建設系高校現場見学会(現場紹介)

※アンケート結果は、「こちら」をご覧ください。

担当教師名:若杉 逸平

高校名 名古屋市立工芸高等学校 建築システム科 2学年 39名
授業実施日 平成27年11月11日(水)
見学現場@ 名工建設株式会社
みよし市図書館学習交流プラザ建設工事
見学現場A 鈴中工業株式会社
知多浄水場、浄水池築造工事

実践報告:
 秋晴れの中、愛知県内の工事現場を2か所見学させていただきました。
 午前に見学させていただきました、みよし市図書館学習交流プラザ建設工事の現場は、3階建の図書館。
 屋上にも入らせていただきました。アスファルト防水などの専門的な説明もしていただき、生徒たちも興味津津でした。教科書にある言葉に実際触れることができました。また、工事現場内がとてもきれいになっており、工事管理の徹底を感じることが出来ました。
 午後に見学させていただきました、知多浄水場、浄水池築造工事の現場は竣工が近付いている落ち着いた現場でした。現場事務所で浄水場の役割等の解説をしていただいた後、施設内を見学させていただきました。完成後は入れない場所を見学させていただきながら、詳しく工事内容等を説明していただきました。
 この見学会を企画・運営していただきました方々、本当にありがとうございました。

見学風景
見学写真 見学写真

現場見学会 生徒感想

「校外学習を終えて」  建築システム科 2年

・みよし市図書館学習交流プラザ  工事金額 2億4000万円
 構造物の間がスリットと言う樹脂とスポンジで出来ていて、壁と柱を独立させる造りに施されていました。理由は、地震の時に全壊を逃れるようにする対策と聞き、地震国である日本に対してより安全な暮らしを求めて色々と試行錯誤しているのが伝わりました。もし、このスリットにも欠点が見つかったのならば、また考えなおして、よりよい物へとどんどん地震に強くなっていく、そうやって建築は時の流れにそってよりよき建築物ができていくのを担当してくださった企業の方の話を聞いて、感じることができました。
 屋根の防水対策について、まずコンクリートで「止水」をして、次にアスファルト防水で「防水」をする、W工事で漏水を防がれていました。企業の方によると、10年間は保証できるとの事です。
 足場に対することで、側面に幅木を取りつけることは近年法律で義務付けられたとの事です。これは作業員がより安全に作業が行えるようにするためのもので、安全対策面でもしっかりと考えられていることが分かりました。
・知多浄水場浄水池  その3工事 工事金額 12億2000万
 大きいクレーンがあって、それは手動と言うことを聞いた。理由は設備管理に費用がかかり、それに、使う機会が少ないからの事でした。ポンプ場に置く機械が熱を発するため、それに加え地下深くにあるので、換気設備が必要と言っていました。
・校外学習を通して
 今回、2つのゼネコンにかかわる建物の見学をさせていただきました。正直、以前はゼネコンには興味なかったです。しかし、いざ、現場に入ってみると、とても楽しく、興味を感じる物もいくつかありました。自分の視野が広がった気がしました。やはり、話を聞いているだけでなく、自分の目で見て体感することによって、より深く学ぶことができました。このような機会を下さり、ありがとうございました。


「工事現場で得たもの」  建築システム科 2年

 今回の校外見学を通して、ぼくは3つの事を感じました。
 1つ目が「1つの工事に、多くの金額、時間そして人がかかわっていること」です。今回、2つの工事の資料を目にして、桁の大きな金額や年単位の時間がかかっていて、驚きました。そう考えると、建築関係の仕事をしていくうえで、責任感や仕事に対するこだわり、そして信念が大切だと感じました。また、建築関係の資格が多くあって、難易度が高いのも責任ある仕事だからだと思いました。
 2つ目が「今の勉強が大切だということ」です。現場見学をしている時に、これまでに勉強した内容や今、勉強している内容がでてきて、教科書の内容と実際に目にすることでより理解することが出来ました。また、学校で勉強していることが現場にでると当たり前の内容や言葉として使用されていて、学校で学んでいることは基礎的なことなので、テストで1点も落とせないと感じたこととテストのための勉強は卒業して、将来のための勉強を心がけようと思いました。
 3つ目が「人間関係、掃除が大切だということ」です。多くの人間がかかわる建設現場で、自分の思い、指示が伝えられることや挨拶ができることが、やはり大切なことだと再々確認しました。会話力の向上を今後の課題にしていきたいと思います。現場の中に掃除道具が設置されていて、身の周りを整理整頓すること、掃除をすることが大切だと思いました。良い物を生み出すためには、良い環境作りが重要なことだと感じました。
 最後に、まとめです。上記のとおり、感じることがたくさんあって、とても良い経験になりました。教科書だけでは見えてこないものが五感を通じて学習することができてよかったです。また、就業体験、校外学習などのイベントによって、今後の目標が具体的に持てるようになり、今後の学習に対するモチベーションが上がりました。


「校外見学レポート」  建築システム科 2年

○みよし市図書館学習プラザ建設工事現場
(名工建設)で聞いた事など ・ルーバー 光をさえぎったり、人の目をさえぎるもの
・土止め 杭を埋めるための穴を掘る時にその穴の周りが崩れないように回りを固める事
・タワークレーン 最大40m伸び、1tまで上げられる。解体する時、地上30mくらいの所で解体する。
・足場 この図書館を建てるために使う足場をすべて組むには、約1カ月かかる。足場の板と板の間が少し低めに作ってある理由は、作業をしやすくするためで、高さは決まっている。
・レベル 仕上げの高さを表す印の事。
・トランシット 直線が見える道具。
・発砲ウレタン 吹きつけて使う断熱材。
・図書館は、特に遮音に気をつかう。
・防水の仕上げをする前は、コンクリートで止水する。
・地盤から有害物質が出たら除去しなくてはならない。
・現場近くの会社みたいな建物は、会社でなく借りている建物。
○知多浄水場所、浄水池築造工事
(鈴中工業株式会社)で聞いた事など
・飲料水をためるタンクを建てる時、作業員に厳しい審査がある。
・建物が地下にあって、コンクリートのにおいがすごくしていた。
・手動で7.5tも上げられるクレーン。
・地面からとびだしていた鉄筋は、管をとめるもの。
・高速道路の下の部分なども建てる。
○感想
 足場の板と板の間が思ったより低く、何回も頭をぶつけてしまったので、ヘルメットは本当に大事だなと思った。足もとと上の両方に気をくばらないと危ない。RC造の屋上の勾配を実際に見て、けっこう目で見てパッと分かるぐらいついているのだなと思った。建物内にあったライトがすごく明るかった。壁が高いからセッコウボードを張るのも大変そうだと思った。飲料水をためるタンクは飲む水を扱う所として、作業員を審査するぐらい、しっかりと清潔にしているのがすごいと思いました。普段見る事の出来ない所を見たりして楽しかったし、いい経験になった。


「校外学習を終えて」  建築システム科 2年

 11月11日の水曜日に図書館の工事現場と、浄水場を見学しました。そこで学んだことを書きとめようと思います。最初は図書館の工事現場を見学しました。そこでまず驚いたのは、この一つの建物を建てるのに、何と30社近くの会社が関わってくるということです。前々から、一つの建物を建てるのに、多くの会社が関わってくると聞いたことはありましたが、今回ほんとにそうなのだと実感しました。
・スリットについて、今回、僕はスリットというものをみました。スリットとは、地震が起きた時に建物が崩壊するのを防ぐため、独立した箇所を作るためのものです。
・屋上の防水性について、図書館の屋上にあがらせていただき、漏水対策について教えてもらいました。実はコンクリートだけでも漏水しない事が分かって意外でした。ただ二次漏水でアスファルト防水することで、確実に防水するそうです。アスファルト防水は10年で点検して貼り替えるそうです。
・図書館の遮音性能について、図書館を建設することにおいて話をきくと、遮音にこだわったと言っていたので、なるほど!!と感嘆しました。僕も将来は、そのような事に考慮しながら設計できる人間になりたいと思いました。
 次に知多の浄水場を見学しました。最初に仕事の様子や仕事等の話を聞きました。この知多の浄水場が知多の全域にきれいな水を供給していることに驚きました。
・地下のポンプ室について、今回地下にあるポンプ室を見学させていただきました。このポンプ室は水を貯めておく場所まで水を運ぶ空間です。学校の授業の建築材料実習の時に嗅いだ事のある匂いがしました。
 一日を通して、僕は進路についてさらに迷うことになりました。実際に現場を見て、いろいろな話を聞いているうちに、高校を卒業しても社会で通用するのかと思ってしまいました。難しそうな図面、複雑な配線、いろいろな知識を持って仕事をしているのだと思うと少し居間の自分では不安になってしまいました。進路は、就職しようと決めていましたが、もう少しだけ考えてみようと思いました。現場を見学するのは楽しくてわくわくしました。とてもいい経験でした。


「校外学習を終えて」  建築システム科 2年

 図書館の仕上げ途中の現場を見て、まずこんなにも配線があるということに驚いた。それがごちゃ混ぜにならないように、配線ラックというものでまとめたりしていた。又、屋上では墨付けの跡が残っていて、自分らがいつも使っている物と少し違うが、ほぼ一緒の物でとても長い線を綺麗に引けていて凄いと思った。
 足場にも初めて登ってみて、思っていたより低くて通りづらかったし、道も細くて通りづらかったが、上の高さも作業のしやすい高さだったりしていて工夫されていて凄いと思ったし、この足場が安全でないと作業員の命に関わるので一カ月かけて足場を作っていると聞いて大切さを知った。
 ここで一番大きく感じたのは「安全」へのこだわりについてで、会社のスローガンだったり、今日はここで火を使うとか上で作業するので下にはいないでくださいだとか至る所に「安全」への意識の高さを感じ、不注意一つで大けがする仕事だと改めて知ることが出来た。
 浄水場を見て、まずコンクリートの匂いが結構して、一つ一つの部屋がやっぱり広々としていた。上にはクレーンもあって修理に使えたりするものもあった。建物がほとんど地下に埋まっていることは知らなかったし飲料水を提供するので、内面の防水加工には気を特に使っていた。
 最近は、女性の方も出てきているらしいし、1〜3年間は初級、3〜15年で上級までいけると聞いて経験がやっぱり大切なのだと知った。又資格をとらないといけないということも分かった。施工管理者として必要なものとして「決断力」とおっしゃっていて現場の施工、収支、人の配置に全て関わっているので、様々な状況で瞬時な判断が求められると知った。
 全体のまとめとして一つ目は、「安全」にとても気を配っていること。二つ目は、非常に高い金額ということとか関係なく「お客さんの思いを形に」だったり、少しでも快適に使ってもらいたいという、お客さんの気持ちを理解することが大事と知った。最後に皆さん楽しそうだったし、楽しいと言っていたので続けていくためにも好きなことをやるのがいいのかと思った。

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